Why on earth…? / 一体どうして…?

それは息をのむような素晴しい瞬間でした。

6歳の小さな女の子が、杉並公会堂で手を叩いていたのです。それも、20世紀を代表するオーケストラ作品のなかでも特にリズムが難しいとされる、ストラヴィンスキー作曲の「春の祭典」のなかの1曲「生け贄の踊り」にあわせてです。

女の子が神童だったということではありません。その女の子は、その日、音楽のワークショップにたまたま参加しただけなのです。違う種類の記号が書かれてい るプリントを見ながら、手を叩き始めて20分もすると、その子はグループの中心にいました。そして、仲間をリードしながら、見事に演奏を発表しました。こ れには周りで見ていた演奏家たちも、開いた口が塞がらないという様子でした。

もちろん、このワークショップには、無作為にプリントを組み合わせて手を叩くリズム遊び以上のことが盛り込まれています。しかし、この女の子を例にとって もわかるように、単純で、かつ計画性をもって取り組めば、どんなに複雑極まりないとされている作品でも、その作品が本来持っている不思議な魅力を失わせず に、もっと身近なものにできるのではないでしょうか。

これが、私が芸術教育に最も惹かれる原点です。たとえて言うならば、新しい窓を開く可能性、という感覚でしょうか。

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今まで世界中の様々な場所で仕事をする機会に恵まれましたが、その中でも、特に日本には強い思入れがあります。過去15年間にわたり、社団法人日本オーケ ストラ連盟(以下、オケ連)のパートナーとして招聘いただき、日本各地に拠点を置くオケ連会員の24のオーケストラのために、エデュケーションプログラム を開発してきました。いつ日本を訪れても、私にとっては毎回「冒険」で、今までに何度「マイクさん、次は何をやりましょうか?」と声をかけて いただいたのかわかりません。

今まで私がいただいてきた暖かい皆様のお気持ちに、少しでも恩返しするためにも、私の考えや素晴らしい思い出―それは焼けるほど暑い体育館にいてくれた小さな子供たちから皇后陛下に至るまで―を、このブログで皆様と共有できたらと思っています。

(Translation: Yukiyo Sugiyama, 訳:杉山幸代)

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It was breathtaking to watch.

A tiny 6-year old girl in Suginami clapping her way through one of the great rhythmical challenges of the 20th century orchestral repertoire; the Dance Sacrale from Stravinsky’s Rite of Spring

This was not another pre-pubescent prodigy. Just a little girl who had turned up for a music project. And after 20 mins of playing with a selection of pre- printed papers, each with a different set of symbols, she led a group of her friends in a rhythmical rendition that left all of the musicians in the room with their jaws on the floor.

Obviously there is more to this than playing with a random selection of papers. But it demonstrates how even some of the most complex creations can become familiar friends without losing any of their magic if approached in a simple and systematic way

This is what first attracted me into arts education. The opportunity to open windows.

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I have been fortunate to have worked in a number of places around the world but it is Japan that has held the most fascination. For almost 15 years I have partnered with the Association of Japan Symphony Orchestras in creating education programmes around Japan for their membership; some twenty four at the last count. Every trip has been an adventure, and throughout this journey I have been constantly asked “Mike-san, what do we do next?

This is in some ways an opportunity to pay back some of the generosity that has been shown by sharing some of my thoughts and fondest memories, from small children in baking gymnasiums, to Empresses in palaces.

About Michael Spencer

マイケル・スペンサー エデュケーター、ファシリテーター、ヴァイオリニスト。 元ロンドン交響楽団ヴァイオリン奏者、初代英国ロイヤル・オペラ・ハウス教育部長。現在、Sound Strategies最高経営責任者。スペインで唯一自主運営をしているバレス交響楽団(バルセロナ)にて、教育プログラムと経営方針の特別顧問を務める。世界各地で芸術教育プログラムを開発・実践し、さまざまな芸術団体や企業から高い評価を受ける。日本でも社団法人日本オーケストラ連盟主催・文化庁後援により、24のプロオーケストラと各地で教育プログラムを実施。2001年皇后陛下ご臨席のもと、紀尾井ホールにてワークショップ型コンサート開催。2008年には、教育ディレクターを務めた『ピーターと狼』がアカデミー賞(短編アニメ部門)を受賞した。2011年にTEDxWWF(世界自然保護基金)出演。 近年では、英国免疫学会の依頼を受け、科学者と芸術家、地域コミュニティーとの共生を目的とした芸術プログラムを英国各地にて制作・実践している。NHK-BS『旅のチカラ』でも活動内容が紹介された。 Japan Festival in London 2012 大会会長。上野学園大学音楽研究文化センター客員研究員。
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